NIMBY心理

意思決定

NIMBY心理とは

NIMBY心理(ニンビー:Not In My Backyard)とは、特定の計画や開発の必要性は理解しながらも、近所や近隣地域に影響を及ぼすことを拒否し、その地域にそのような変更が行われないように求める心理状態や態度のこと。

その計画や開発自体を反対しているのではなく、それが自分たちの生活環境や不動産価値に悪影響を及ぼすことを懸念しており、そのような考えのことをNIMBYISMと呼びます。

アメリカ・バージニア州のデイリープレス紙アーニー・ゲイツ記者が、1980年6月29日付の記事にて使った言葉とされていますが、核廃棄物の処分場をどうするか激しく議論されていた時代だったため、それ以前にも似たような考え方は存在していました。

NINBY心理が働くとされている施設や計画は以下の通りです。

学校・幼稚園
清掃工場・下水処理場・産廃施設
墓地・火葬場
食肉処理施設
核施設
空港
軍事施設
福祉施設・難民受入施設
ギャンブルに関わる施設
風俗店・性産業施設
刑務所・矯正施設
消費者金融
宗教施設 など

 

法則うさぎ
法則うさぎ

家の隣がお墓だと不気味じゃん・・

イトケン
イトケン

お化けなんて出ないから~♪

 

 

NIMBY心理の主な特徴

NIMBY心理を持つ人々の主な特徴として以下の点が挙げられます。

自己中心的な関心
自分たちやコミュニティの利益を最優先に考えます。

地域の保護
地域の特性や魅力を維持し、変更を避けることを目指します。

とにかく心配
交通渋滞、騒音、環境への影響、不動産価値の低下などを懸念します。

反対運動
反対運動や法的手段を用いて計画に反対することがあります。

 

これらのNIMBY心理が働く住民たちの心理は、社会よりも自分たちの利益を最優先している考え方であるため、非難の対象になることがあります。しかし、住民たちにとっては切実な問題であることは変わりはなく、議論も平行線を辿りがちなため、計画や建設が大きく遅れる原因になります。

すべてのNIMBY心理について解決できる方法というわけではありませんが、一般的には被害を被るであろう地域住民になんらかの補償を与えることで妥協策を見出すことがあります。

 

NIMBY心理は、地域社会や開発に関連する重要なテーマであり、その理解は持続可能な社会の構築に向けた一歩と言えます。計画やプロジェクトの進行に際して、地域の懸念事項を真剣に受け止めることは、より良い未来を築くための重要なステップとなるでしょう。

(参考文献)
土屋雄一郎「環境紛争と合意の社会学―NIMBYが問いかけるもの」世界思想社(2008)https://amzn.to/3GJfdAi

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