学習性無力感

やる気

学習性無力感とは

学習性無力感(Learned helplessness)とは、自分の環境や状況をコントロールできないと感じた結果、努力を放棄し、積極的に行動しなくなる心理状態を指します。

この概念は、心理学者のマーティン・セリグマンによって1970年代に提唱されました。

セリグマンの研究では、犬が逃避不可能な電気ショックから逃れる方法を学べなかった場合、その後、逃避可能な状況に置かれても、逃げようとしないことが観察されました。

最終的にこの調査は、犬が自分の行動が結果に影響を及ぼさないと学習した結果と結論付けられています。

人間においても、何度もコントロール不能な状況にさらされると、その人は自己効力感を失い、たとえ改善の機会があっても積極的に行動しなくなることがあります。

そしてこれは、うつ病や様々な心理的障害の背景にある要因ともなり得るとも言われています。

 

法則うさぎ
法則うさぎ

逃げることができたのに、逃げることができないことを学習したんだね。

イトケン
イトケン

行動を起こしても無駄だということを学んだんだ。

 

 

学習性無力感の例

例えば、学生がいくら勉強してもテストの成績が上がらない時、従業員がどれだけ頑張っても評価されない時、これらは学習性無力感の典型的な例です。

このような状況では、人々は自分の努力が無意味だと感じ、やる気を失ってしまいます。

職場での過度なストレスや失敗の経験が続くと、従業員は自分の仕事に対するコントロールがないと感じ、仕事への関心を失うこともあります。

 

 

学習性無力感を克服する方法

小さな目標を設定する
成功体験を積み重ねることで、自己効力感を高めます。

ポジティブなフィードバックを得る
周囲からのサポートや肯定的な評価はモチベーションを高めます。

環境を変える
コントロールできる環境に身を置くことで、影響力を感じやすくなります。

学習性無力感は誰にでも起こり得るものですが、適切な方法で対処することで克服できます。

まずは、個人が自分の環境や状況に影響を与えることができるという感覚、つまり「自己効力感」を育むことが重要です。

目標を設定し、小さな成功体験を積み重ねることで、自己効力感を高め、学習性無力感を克服することができます。

また、サポートする環境やポジティブなフィードバックも、この感覚を強化するのに役立ちます。

自分自身の感覚を大切にし、小さな成功を積み重ねていきましょう。

(参考文献)
マーティン・セリグマン、クリストファー・ピーターソン「学習性無力感―パーソナル・コントロールの時代をひらく理論」二瓶社(2005)https://amzn.to/48tYiOo

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