イノベーションのジレンマ

アイデア

イノベーションのジレンマとは

イノベーションのジレンマ(The innovator’s dilemma)とは、新しい技術や製品が登場すると、それがもたらす変化に適応するのが難しく、結果として巨大企業であっても新興企業の前に力を失ってしまうことを示した企業経営の理論のこと。

携帯電話を例にイノベーションのジレンマを考えてみましょう。

既に携帯電話事業で成功している大企業からすると、新しい技術や事業はまだまだ市場規模が小さく見えてしまいます。

結果として、大企業はスマホという新たな技術が登場しても、そのポテンシャルを過小評価して(もしくは評価すらできずに)、既に大きな収益を上げている既存のガラケーの改良改善ばかりに注力してしまいスマホ参入が遅れてしまう傾向にあります。

このイノベーションのジレンマはアメリカの経営学者であるクレイトン・クリステンセンが1997年に提唱したもので、そこには2つの革新が存在します。

 

法則うさぎ
法則うさぎ

大企業にとって、新技術はあまり魅力的に見えないのか…

イトケン
イトケン

新しいものって最初はなんでも規模が小さいからね。

 

 

持続的な革新と破壊的な革新

最初の携帯電話は大きくて重く、通話がメインでした。しかし、技術が進むにつれ、機能が向上し、小型化・軽量化が進み、カメラやインターネットなどの新しい機能が加わりました。

これを「持続的な革新」と呼びます。大企業は徐々に携帯電話を改良し、市場の要求に対応してきました。

しかし、ある時点でスマートフォンが登場しました。スマートフォンは通話だけでなく、アプリケーションやウェブブラウジング、多様な機能を提供しました。これが「破壊的な革新」です。従来の携帯電話メーカーは、初めはスマートフォンの重要性を理解せず、既存のビジネスモデルにこだわりました。

しかし、スマートフォンが急速に普及する中で、従来の携帯電話市場は影響を受け、多くの企業が苦境に立たされました。

 

 

常に挑戦者であれ

ここでイノベーションのジレンマが登場します。なぜなら、企業は既存の成功体験に固執し、新しい変革に対応できない状況になりやすいからです。

持続的な革新に成功している企業は、それが逆に未来の破壊的な変化への適応を難しくしてしまうことがあります。

このジレンマを打破するためのキーワードが柔軟性です。

企業は過去の成功体験にとらわれず、新しいアイデアや技術への探求心を失わないようにする必要があります。リスクをとることでしか、未知の可能性に挑戦できないというわけです。

イノベーションのジレンマは、新しいアイデアが生まれる舞台であるイノベーションの世界においても存在します。

企業は過去の成功にこだわりすぎず、柔軟性を持って未知の未来に挑戦することで、イノベーションのジレンマを乗り越え、次なる進化に成功することができるのです。

(参考文献)
クレイトン・クリステンセン「イノベーションのジレンマ」翔泳社(2001)https://amzn.to/481ClpB

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